科学と超能力の「あいだ」

- interview with DaiGo -

メンタリズムをご存知だろうか?
一言でいえば、海外を中心にブームを巻き起こした
超常現象パフォーマンスであり、またそれらをめぐる言説のことである。
そして、現在のところ、日本における
唯一のメンタリズム・パフォーマーがDaiGoさん。
「すべての超常現象は科学的に再現できる」が信条というDaiGoさんは、
物理学の学徒であり、脳科学の未来にも期待を寄せる若きエンターテイナー。
普段、なかなかテレビでは語られることのない真摯なメンタリズムへの思いを、
DaiGoさんのマネージャーであり、
良きパートナーでもある村山淳さんとともに、語っていただいた。


DaiGo (だいご)


1986年、静岡県生まれ。幼少期より、科学に興味を持ち、
母親の薬学関連書籍を絵本代わりに育つ。
高校時代に不老不死に憧れ、人工的に脳を造ることを決意。
記憶材料に関する研究を行う慶應義塾大学理工学部を経て、
同大学院理工学研究科在籍。
脳そのものへの興味が深まり、医学部への編入を目指す傍ら、
心理学にもとづく暗示や錯角など、あらゆる学問をトリックに結びつけ、
超常現象を再構成するパフォーマンス“メンタリズム”を行う
メンタリストとしてさまざまな媒体にて活躍中。

公式ブログ: メンタリズム・ラボ
http://ameblo.jp/daigo-mentalism/







B:心理学や催眠術、奇術、運動力学などの多分野の学問を融合させる コミュニケーション術であるメンタリズムについての本を読ませていただくと、 コミュニケーションを大切にされている印象を受けました。 いつ頃から、コミュニケーションスキルのようなものへ興味をもたれたのですか? DaiGo(以下、D):僕はそんなにコミュニケーションは得意じゃないんです、実は。 得意じゃないから、メンタリズムのようなものを考えるんですよ(笑)。 メンタリストとしての活動を始めたきっかけとして一番根底にあるのは、 人間の脳や精神活動に興味があったからです。 それも「心」ではなく、もっと物理的な「脳とは何か?」という脳神経生理学的な興味。 高校生の時の夢で、これはちょっとSFの見過ぎかもしれませんが(笑)、 脳を作りたいと思ったんです。 人工知能とかそういうものではなくて、人の意識そのものを移せる容器、 いわばデバイスとしての脳を作りたかった。 それで大学は物理学科の物理情報工学ってところで、応用物理ですね、 その中でも、人の脳と似た記憶をするスピングラスという材料の研究に携わったんです。 研究をする中で、実際に人の心に触れる心理学理論を使うことも大切だと思いはじめて、 それがメンタリズムへの興味につながっていくんです。
B:コミュニケーションしたいというよりも、 「コミュニケーションとは何か」を理解したいということでしょうか? D:そうですね。 なぜ人はこんなにコミュニケーションの方法も違うし、 脳も複雑に個性が出るのか、というところがすごく気になるんですね。 例えば、全てが同じというわけじゃなくても骨格はだいたい同じじゃないですか。 関節のどこが曲がるかとか、指に関節が4つとか5つある人はいないですよね。 でも脳の場合はそれが往々にしてあると。 しかもわかっていないものがほとんど。 よく脳は30%しか使ってないと言いますけど、 正確に言うと30%しか使っていないのではなくて、 70%の余剰の意味を人がまだ理解していないだけです。
B:30%だって、本当は3%かもしれないし。わからないですよね。 D:はい。僕は元々、超能力とか霊能力を一切信じない人間だったんですよ。 いまは多少やわらかくはなりましたけど。 昔は占いも大嫌いで、否定派でしたが、 メンタリズムに出会ってからちょっと考え方が変わってきたんですね。 占いとか霊能力というのもあるかどうか分らないですけど、 それを人が信じてしまうことに何か理屈があるはずだと。 そこには興味はある。 僕は一応デモンストレーション担当ですね。 元々メンタリズムって、「目に見えないもの」「かたちにならないもの」という意味なんです。 ということはメンタリストがやるメンタリズムのパフォーマンスは、 目に見えないはずのものを人の目に見えるかたちで提示する。 これはデモンストレーションですよね? これをしなかったら頭の中にあるだけですから。 村山(以下、M):僕が最初にメンタリズムの研究を始めて、 現在は、デモンストレーションのための仕組みというか、 どういう風にすればそれが成立するかというディレクションをやっているんです。 今、話を聞いてもらってわかるように、 DaiGoはコミュニケーションに興味があったわけではない。 D:あんまりそこを前に押し出すと嫌な人になりますから(笑)。 そんなことはないですから(笑)。 もともとメンタリズムがどこで使われていたのかというと、 例えば占い師や神官、霊能力者たちが使っていたんです。 相手の心をどう読み、さも相手の心がわかっているかのように コミュニケーションをするにはどうすればいいかという技術。 それは心理学ではなくて経験的なもので積み上げられていって、 やっぱりそこがメンタリズムの基礎になっていますよね。 M:そういう文脈で言えば、メンタリズムというものが人を信じ込ませたり、 操ったりという、どちらかといえば悪いイメージで使われてきた経緯もあります。 アンダーグランドでずっとそういう風に培われてきたものは、 代々占い師の家系であったり、詐欺師であったり、宗教家であったり。 D:逆に、メンタリズムから心理学の法則が生まれたりもしていて、 例えば血液型占いがなぜ当たるのか、っていうのを検証した人がいるんです。 フォーラーという人なんですけど、 フォーラー効果とかバーナム効果っていわれるものですね。 何人かの人にアンケートを取って、「あなたの性格は○○ですか?」みたいな質問をして、 そのアンケートを回収して一週間後にA4用紙3枚分くらいの分析した表が届く。 それを見た人たちは一様に「この心理テストすごい」「8割、9割当ててる」と言います。 で、アンケートに協力した人全員に集まってもらって、「隣の人と交換してみてください」と。 実はまったく同じ文章だったんです、全員。
B:自分のほうから当てはまりにいってしまうということですね。 D:そうです。探しにいってしまうんです。 誰だって内向的になる時がありますが、 「基本は外交的だけど内向的になってへこんでしまう時もある」と書かれると、 具体的な体験と結び付けてそう理解してしまいます。 それは昔、占い師がしていたことなんです。 でもそれを心理学者が検証して、心理学になるんですね。 つまり人っていうのは、誰にでも当てはまるような文章でも、 性格テストとか意味付けがされてしまった瞬間に、 これは自分だけの情報だと思い込んで、自分の状況に当てはめてしまうんです。 メンタリズムは、心理学をベースにはしているんですけども、心理学ではないんです。 どちらかというと、心理術に近いんですよ。 なぜかというと、心理学というのはあくまで統計なんです。 だから確かに2千人とか3千人を対象にすると、 「人は顎を触るのはこういう心理状態が多い」という傾向に、7、8割の人は結び付きます。 でも目の前の人が当てはまるのかはわからないので、 そこを観察で補うのが、メンタリズムなんですね。
B:その観察にもある程度の法則性があるのでしょうか? D:そうですね、ただメンタリズムの場合はいろんなものを組み合わせて、 超常現象などを作りだしていくので、 どういう状況でその行動をとったかによって違ってきます。 よく腕を組むと防御だとか軽蔑だとか言われますけれども、 例えば、しゃべり始める前から腕をこうやって組んでいたら、 それは、見下しているんです。何だお前は、と。 しゃべっている途中でいきなり後ろに下がりながら、腕を組んだら、 これは気まずい話題を振られたとか、 自分を守らなくちゃいけない状況になったからなんですね。 メンタリズムで観察する時には、必ず状況を作ってからその観察を行うんですね。 だから全てが見えるわけじゃないんです。 よく、道端ですれ違う人の心の中も読めるのかって聞かれますが、 僕は、「それは超能力者だろう」って答えるんですね。 その理由は、道端を歩いている人がどういう状況下で歩いているかはわからないからです。 仕事帰りかもしれないし、どこかに出張に向かう時かもしれないし、状況によって変わってきます。 パフォーマンスだったら状況を限定できるので、 そこで観察をすれば、ある程度は読めるということなんです。 もちろん、心理学のデータはベースにはなっていますが、 それだけでは心は読めないから、それを一つの手掛かりとして、 相手の心を読んでいくのがメンタリズムなんですね。
B:ご著書の中で、相手のしぐさや行動を真似して、 親近感をもってもらうような、マッチングの話があります。 その時、相手に気づかれないようにすることが重要とありますが、 気づかれないようにと思うと、逆にさとられてしまいそうです。 D:じゃあ、僕が今、肘の位置を同じ体勢にしているの、気づいてます?
B:あ! 気づきませんでした(笑) D:気づかないですよね。気づかないんですよ。 何故かというと、人間の脳の構造では、全部見えているんですけど、 でも、全部は認識してはいないからです。 例えば、今、何を話そうかと考えたり、僕と会話しているから僕の表情を見る。 だからその状態で話の流れとも、この場の空気とも関係ない、 肘をどこに置くかという状況に意識は目を向けるかと言ったら、向かないんです。
B:言われてみれば確かに全然見てませんでした。 視覚的には見てるはずなんですけど…。 D:結局意識が処理できる情報量ってすごく限られてるんです。 人によりますけど、意識的に人が覚えられる数字は、 たかだか5〜7桁が限界って言われています。 だから、よくネット等のパスワードは、6、7桁以上に設定されているのは、 あれはパッと見たときに、すぐに覚えられないからです。 まあ、そこまで深く考えられているかは定かではないですけれども。 人間というのは、やっぱり顕在意識で情報を受け取るんです。 必要なものは顕在意識に残し、それ以外は処理を潜在意識に任せるんですよ。 例えば、いま話している時に呼吸は意識してないですよね。 これは多分潜在意識が行ってるんです。 でも、大事なのは潜在意識に一度消えた情報は、 しばらくすると顕在意識に浮き上がってくることがあるんです。 上がってきた瞬間、人はそれを自分が今思いついたものだとか、 今自分が考えたことだと思い込んでしまうんですよね。
B:人が意識していない領域に、可能性も危険も感じます。 普段は意識していない領域に何らかの仕方で働きかけることによって、 なにか内面的な力を引き出す。 また、自分の潜在意識を、良い方向にコントロールすることは可能なのでしょうか? D:現代の脳科学の見解だと、潜在意識と顕在意識の境界ってないんですね、実は。 だから多分、潜在意識と顕在意識は同じものです。 ただ、双方向に何か相互作用が起こっていて、 意識的に何かを、顕在意識上で行動することによって、 潜在意識に影響を与えることもできるはずだし、逆もしかりだと思います。 もし自分の潜在意識が悪さをしているとか、すぐマイナスに考えがちな人は、 普段やっている何かを変えてみればいいんです。 そうすると潜在意識は入ってくる刺激が変わるから、違う答えを出してくるはず。 僕は、常に違う刺激を脳に与えたいから、いつも来る道を変えるんですよ。 例えば家から最寄駅まで行く道順。 これを毎日少しでも、より道してもいいから変えてるんです。 駅の出口もしょっちゅう変えるんですよ。 常に顕在意識を通して、潜在意識に情報や刺激を与えていると思ったほうがいいですね。 だから例えばカフェに行って、会議のアイデアをまとめたり、企画書を書いてて煮詰まったと、 そうなってるってことは、潜在意識を煮詰まらせるような情報を いまそこで受け取ってるわけですよ。たまたまその状況で。 じゃあ場所を変えようと。 変えたら新しいアイデアが出ることってよくあるじゃないですか。 あれは入ってくる刺激が変わって、潜在意識をコントロールすることができて、 出してくるものが変わった。 だから潜在意識が悪さをするから自分はもう何もできないのではなくて、 何か入ってくる刺激を変えれば、コントロールできるんです。 それで可能性が生まれる。
B:それなら、実行できそうですね(笑)。 一方で危険という面でいうと、 むしろ今の社会や人々の道徳観念などあらゆる観念が、 知らないうちに強大な催眠術にかかっているのではないか?  という考え方もできますよね。 それをどうやって外すかということも大切ではないかと思うのですが。 D:社会全体の洗脳とか、構造から逃れる方法があるとしたら、 それはもう社会というネットワークから切り離すしかないと思います。 物理の考え方だと、ある系の中に存在したら、 その系を客観的に見ることはできないんですね。 もし電車の中に座っていたら、 自分がはたして車で50キロのスピード走っている体感を感じるかといったら、 その系の中にいるから感じないはずなんです。 M:僕はそこは可能性もあると思います。 よく二人で話しているんですが、人は自由を望むと思い込んでいるだけで、 それこそ洗脳ですけど、本当は自由なんか求めていなくて、 ただその状況下にある選択肢を選ぶ以外に、 人っていうのはそう簡単に自由な発想を起こすことはできない。 もしくは自分で自由な発想と思ってるだけで、 過去から得た知識や情報を再編集しているに過ぎない。 メンタリズムのパフォーマンス状況を作ることと同じです。 このテーブル上のグラスや食器の中から、 何を選ぶのかという風にDaiGoのパフォーマンスは限定されているんですよ。 今、急にばーっと立ち上がって、こんなのやってられるかって いきなりエレベーターを降りるという選択肢ももちろんありますが、 やっぱり与えられた選択肢の中から人は選んでしまう、 それが暗黙のルールというか約束事。 コミュニケーションと一緒ですね。 これは僕らの仮説ですけど、感情は流動的でも、 心の形はいくつか常に定まっている可能性はあると思います。 生まれた時からすでに存在していた資本主義とか政治や道徳、 生まれたときの状況や育った環境で植え付けられたもの すべての枷を外して自由になることは、 結局、今、ここにあるルールから逸脱して、異端者になることだし、 それを全員が一斉にやったところで、幸せになれるかっていうとそれは非常に難しい。 この日本という国のことを考えても、普通の先進国なら、 今みたいに失業率が上がっていたらもっと声を上げる人が多いでしょうが、 日本は戦後から国民性というものを奪われてしまったので、 そのために自分一人で声を荒げることは、異端に見えるようにやっぱり洗脳されている。 そこは各自が少しでも自覚的に、枠を外して見る目を持つべきなのかなとは思います。 D:個々人がなりたい理想の姿があって、それになるために、 例えば自分にどんな自己暗示をかけて変えていくかとか、 あるいは、「メンタルブレイク」と僕はよく言うんですけど、 思い込みの枷を外していい形になるっていうのであれば、 それはいいことだと思います。 それは社会と切り離されるってことではないですから。
B:今の世の中のシステムやおっしゃるような 「系」の中から自由になる=孤立する、というのは あらゆる意味で不可能かもしれませんが、 しかしポジティブな意味で自己暗示によって突破口を開く、 ということには希望がありそうですね。 D:人の意識も脳の神経回路の電気の伝導ですね。 よく「慣れ」って言いますけど、あれは同じネットワークを使えば使うほど、 神経繊維が太くなってきて、太くなるってことは電気抵抗が減るんですよ、 つまり流れやすくなる。だから同じ行動をとりやすくなる。 よく言われるのが、人が記憶を覚える時というのは、 引き出しみたいに一個一個しまっておくわけではなくて、 ひとつの記憶を一回、50個とか60個のパーツにばらすんです。 脳の違う場所に分散させて記憶する。 で、思い出す作業はその散り散りばらばらになったピースを 集めてひとつにするという作業なんです。 散った50個のものを48個ぐらいまで集めることができたら思い出す作業になる。 もしこれが30個しか出てこなかったら、 「えー、なんだっけ、思い出せない」となるんですけど、 この先がおもしろくて、もしその30個に、 しまってあるパーツとはまったく違う20個をくっつけて50個にしちゃうとするでしょう?  するとそれが「ひらめき」ってものになる。
B:なるほど! D:つまり人は、過去にストックした記憶のピースをつなぎあわせることによって思い出し、 そして新しいアイデアを作ってるんです。 でもこれは本当に自分で自由に思い浮かべたものかって言われたらそうじゃないですよね。 過去の経験とか、自分が溜めた知識からつくり出してるだけなので。
B:その過去の30のピースがなければひらめきっていうものはないってことになるわけですね。 D:ないです。
B:なるほど、ではそれがあって、 全然関係ない20がたまたまくっついたことで、ひらめきと呼ばれる D:現象が起こると言われています。 さっき話したのと同じように人は、本当に自由に物事を決めてるわけではなくて、 特定、限定された状況の中で、 自分の経験や組み合わせの中から選びとっているに過ぎないんです。 脳についてもう少しお話すると、僕が尊敬している神経生理学者で、 ジョン・C・エックルスという人がいるんですよ。 彼はほんとにすごい人で、脳のシナプス、ニューロンの細胞の ほとんどの原理を発見した人だと言われているんです。 要は、シナプスに電気信号が入ってきてニューロンがやっていることは一個だけだと。 入ってきた信号の電圧が一定値を超えたら次のニューロンに信号を送る、これだけだと。 ところが、そのエックルスがたどり着いた先は、 なんとスピリチュアルだったんですね、皮肉なことに。
B:え! それは何故ですか? D:ニューロン一筋50年、ずっと研究をしてきて、 でもなんで電気を通すか通さないか、次に信号を伝えるのか伝えないか、 そんな単純なパーツが集まることによって、 こんな不思議な人間の脳の構造や意識が生まれるのかを どうしても理解出来なかったんです。 だからたどり着いた結論は、脳には「連絡脳」っていう部分があるんだと。 それが精神世界とつながっていて、 きっと人間の個性っていうのはそこから来ている、と言ったんです。
B:そのことについてDaiGoさんどう思いますか? D:そうですね…もしかしたらあるかもしれないですね。 あるかもしれないんですけど、今は、無いと思います、科学的には。 エックルスが連絡脳、精神世界に入っていったから、 やっぱりスピリチュアルはあるんだっていう人もいるんですけど、 僕は逆だと思います。 そこまで経験を積んだエックルスが、連絡脳の研究をしていても成果も何にも出なかった。 という事はないんだろうと僕は考えます。わかんないんですけどね。 これから見つかっていく可能性はもちろんあります。 でも今は無いんじゃないかと。
B:世の中にある安易な霊能力や超能力は、 偽物というかトリックの部分が少なくないので、 まずそういうものを外さないと それがあるか無いか本当に結論なんか出ないのかもしれません。 D:そう! まさにその通りです。 研究、特に物理系の研究はそうですけど、いかにノイズとかエラー、 いわゆる誤差を省いていって真理を見るかというのが一番大事なんです。 だからそういう意味ではほんとにスピリチュアルなものとか 霊能力などを検証するのであれば、偽物を全部排除する必要があって、 そういう意味では、メンタリズムというのは立場としては近いところがあると思います。 要はもし僕が科学で研究して、 超能力があるんじゃないかというところにたどり着いたら、 それはそれでいいと思うんです。 そうなったら超能力を科学するだけであって、 僕は、科学者が一番やっちゃいけないことは、現象を否定することだと思うんです。 現象は否定しちゃいけない。 その現象が何なのかを考えるのが科学者の仕事だと思います。 M:僕は、気の世界などスピリチュアルなものや、 とりあえず超能力と呼ぶしかないようなものも、 あるのではないか、という気持ちはよく理解できます。 ですからDaiGoが言っているのは、 科学で解き明かそうという努力を怠っちゃいけない、 っていうことだと思ってください。 彼はどうしても「超能力」という言い方が嫌いなので(笑)。 D:僕は超能力はないと言っているんですが、 「ない」というのは日本で言われているところの超能力はない、という意味で、 というのは、物理の法則を破ったり、自然の摂理を超えたものはないと思うんです。 超能力と言われている事柄も、人間の理解を超えているだけだと思います。 超能力と言ってしまったら、一部の人だけの技術になってしまう。 それをもし、科学やメンタリズムで解き明かすことができたら、 それは人類共有の財産になるんですよね。 人が人の心をある程度理解する能力、読みとる能力に長けたとしたら、 人類全体のコミュニケーションレベルが上がります。
B:人気者になればなるほど、メンタリズムと超能力、 あるいは霊能力はどう違うんですか? という質問は多く受けられるのでは。 D:そういう時、僕らは、超能力とか霊能力とか科学で証明することのできないものにも、 必ず原理とか理屈があるんですと答えます。 ロジックをちゃんとプレゼンテーションして 相手に可能性を広げてあげるのがメンタリズムと霊能力の一番の違いだと思います。 メンタリズムは技術です、技術をプレゼンテーションすること。 霊能力は自分のタレント性、才能をプレゼンテーションする、 この違いはあると思いますね。
B:最後になりますが、DaiGoさんはまだ非常にお若いですよね。 いま、残念ながら、日本の若い人たちのチャレンジする心が鈍くなっている気がします。 ひとりの若者として、日本の若い人や、社会に対して 今後どういうものを発信していきたいと思っていますか? D:超能力や霊能力みたいな訳のわからないものでも、 ちゃんと勉強すれば理解出来るし、不可能なことでも出来るんですよ。 僕が唯一プレゼンテーションできることがあるすれば、それだと思っているんです。 だって超能力ができるんだったら、なんでもできる気がしません?  自分がいま悩んでいることも、 自分の理解できない潜在意識の中でなにかが起こって自分を悩ませていると。 自分にはどうしようもできない。 でもそうじゃないんです。かならず理由がある。 一見不可能に見えることでも理解出来ないことでも、 ちゃんとロジックを積み重ねて信じて研究していけば答えが出る。 同世代を見ていて一番理解出来ないのが、大学で研究をしますよね。 でも、自分が一生懸命やってきた研究と、 まったく関係ない仕事に就く人が多いことです。 何のためにやってきたの? と。
B:今後も脳科学への好奇心は持続しそうですね。 D:そうですね、今日は色々エラそうに話しましたが(笑)、 基本は自分が知りたい、ということです。 特に脳については、ほんとにまだわかっていないことが多いので。 それでもファンクショナルMRIやPETと言われる測定技術によって 今は、切るよりも見えるようになってきているんですよ。 今後は、心理学と脳科学、脳医学と物理というのは、つながっていく方向だと思います。 M:今日は他の取材では来ない質問がおもしろかったです。 D:久しぶりに学問的な話ができました(笑)。ありがとうございました。
B:今後のご活躍を楽しみにしています。 どうもありがとうございました。



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